EMCとはElectromagnetic Compatibilityの略称で、「他の機器に電磁妨害を与えず、また他の機器からの電磁妨害を受けても本来の性能が維持される」という意味です。この両方の性能を兼ね備える必要があることから「電磁両立性」と呼ばれています。
「他の機器に電磁妨害を与えない」とは、この性能を意識的に確保しないと、他の機器に電磁妨害を与えてしまうことを意味します。EMI は電磁妨害を表す用語です。電磁波の放出により妨害を引き起こす可能性があるため、Emission という用語と対で使われることが多いです。スイッチング電源の用語では、オン/オフ動作によって発生するスイッチングノイズを指します。
「他の機器からの電磁妨害を受けても」の対義語はEMS - Electromagnetic Susceptibilityです。EMSはImmunity（耐性、免責、排除能力）と対で使われることが多い言葉で、「たとえEMIを受けても誤動作などの問題が発生しない」という耐性が求められます。
EMI は、伝導性放出と放射性放出の 2 種類に分けられます。伝導性放出とは、配線や PCB ボードの配線を通じて伝導されるノイズのことです。放射性放出とは、環境に放出 (放射) されるノイズのことです。これらのノイズに対して、EMS では耐性要件が定められています。これらの関係は次のとおりです。
